「ユニークベニューとは?」
「文化施設や公共施設を活用したユニークベニューの事例とは?」
「MICE誘致におけるユニークベニューの役割って?」
今回は、神社や博物館、日本ならではの施設など特徴的な空間「ユニークベニュー」について紹介します。MICEや訪日客誘致において注目される新たな観光資源「ユニークベニュー」とは?
今回は、以下の点について紹介します。
・「ユニークベニュー」とは?
・「ユニークベニュー」の経済効果について
・「ユニークベニュー」の事例
目次
「ユニークベニュー」とは?
・地域資源を活用した特別な空間「ユニークベニュー」
海外を中心にその活用が拡大されている博物館や美術館、文化施設など、地域に点在する施設をMICE誘致会場や観光資源として新たに活用する動きがあります。
「ユニークベニュー」とは、上記のような施策において、
美術館や博物館、日本の神社など地域特有の場所で、一風異なる特別感を醸し出す場
を意味しています。例えば、地域の歴史的建造物、博物館、文化施設、観光施設、商店街、地域の公共空間等は「ユニークベニュー」として活用が期待されています。
「ユニークベニュー」のメリット
①来場者にイベント以外の高付加価値やサプライズを演出
②地域の良さを知ってもらうキッカケ
③地域のプロモーション効果とMICE誘致
日本の伝統的な神社やお寺、博物館や文化施設などを「ユニークベニュー」として活用し、国内外のMICEやイベントを誘致する動きが拡大されています。国や地域の独自性を持つ「ユニークベニュー」は、イベント来場者にとって付加価値の体験を提供し、地域を深く知ってもらうキッカケになるでしょう。また、国際会議や世界大会などを「ユニークベニュー」を通じ誘致することで、世界的に地域プロモーションを実施することも出来ます。
「ユニークベニュー」の経済効果とは?
・日本国内での国際MICE開催件数:414件
・経済波及効果:約1兆590億円
国際会議やMICE、各種イベントを誘致することの出来る特別な空間である「ユニークベニュー」は、大きな経済効果も期待することが出来ます。
観光庁のまとめたデータによると、国際MICE全体による経済波及効果:1兆590億円というデータもあります。このように、「ユニークベニュー」を活用した国際会議やMICEなどのイベント誘致による経済効果は大きなものがあります。
「ユニークベニュー」を実施する上でのポイント
・「ユニークベニュー」を持つ地域のブランディング
「ユニークベニュー」を活用したMICEや国際会議の誘致にあたり、地域プロモーションの拡充および地域文化や施設の歴史的背景などの周知を徹底する必要があります。日本の観光施設はその文化的背景が分かりづらく、海外の人々にとって何が素晴らしいのか分からないことが多々あります。
今後は、海外への「ユニークベニュー」の普及に付随して、その施設のポロモーションや魅力的な特徴を地域の歴史的背景と共に周知していくことが重要です。
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・経済的効果を見込んだ多角的な収益構造と事業ネットワーク
日本の「ユニークベニュー」施策は、海外と比較し十分に収益を確保し、地域へ還元する仕組みが少ないことが課題です。イベント開催に伴う施設の貸し出し費用や施設での地域特産の販売、地域全体で行う滞在日数の延長と周遊性の向上など、イベントだけでなく地域への経済的効果をもマーケティングする必要があります。
その際、住民∼産学連携した地域全体での施策と地域への経済的効果の可視化をデータと共に行い、地域住民の理解促進に取り組むことも重要です。
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・地域の持続可能性「サステイナビリティー」と高付加価値の提供
地域への経済効果や地域住民と観光客双方にとって利益のある「持続可能な観光」に焦点を当てた施策は今後重要性を増します。
「ユニークベニュー」自体の地域への貢献度や存在意義、イベント開催を通じた社会貢献や教育など、地域の持続可能性をトピックし、「ユニークベニュー」の活用を考えていくことが重要です。
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「ユニークベニュー」の事例とは?
・国際イノベーション会議「Hack Osaka 2015」前夜祭×山本能楽堂
・日本木造建築での「おもてなしの心」
・能面、能装束の体験、能楽の実演と日本文化の体験
「国際イノベーション会議Hack Osaka2015」に参加するゲスト等を招待して実施された歴史建造物「山本能楽堂」での歓迎会。能楽や日本文化の体験などを通じ、日本の「おもてなし」にも触れられるようなプログラムになっていました。このようなプロフェッショナルによるパフォーマンスは高付加価値として唯一無二の体験を提供できます。
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・宮島International Night×厳島神社(IPEC Hiroshima2014)
・世界文化遺産「宮島」という「ユニークベニュー」
・地域住民や団体への波及効果
「IPEC Hiroshima2014」の開催に合わせ、「宮島」での日本文化体験や神社の参拝、地域住民との交流等が実施されたプログラムで、宮島での「ユニークベニュー」開発の契機になりました。
日本の独特な世界遺産や伝統文化財は、世界の視点により更に発展することが可能で、「ユニークベニュー」として日本の隠れざる観光地を開発していくことが重要です。
・「MTB コンポーネント M9000シリーズキャンプ」×ガンガラーの谷
・天然の鍾乳洞という「ユニークベニュー」
・地元食材やお酒を使い、経済波及効果
企業のインセンティブツアーのウェルカムパーティとして実際されたイベント。沖縄県が誇る天然の鍾乳洞「ガンガラーの谷」で、アウトドアの高揚感溢れる空間を演出した事例です。自然環境における観光やアクティビティは重要な観光施策である一方、日本では未だ発展途上の分野であることから、「ユニークベニュー」として開発していくことは重要です。
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まとめ:「ユニークベニュー」は地域の起爆剤となりうる!
「ユニークベニュー」の活用を通じ、地域経済の活性化や関係人口の創出を目指す取り組みが拡大しています。一方で、「オーバーツーリズム」による地域住民の生活に悪影響を及ぼす事例も数多くあります。「ユニークベニュー」の開発や取り組みを行う際は、地域の理解も同時獲得するなどの社会への経済的貢献度も考慮する必要があるかもしれません。
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