【観光士が教える!】グリーンツーリズムとは|自然と触れ合う農山漁村の観光「グリーンツーリズム」

「ニューツーリズムって種類が沢山あるな」

「どんなニューツーリズムがあるの?」

今回は、近年注目を集めニーズが拡大している自然と触れ合う「グリーンツーリズム」について事例と共に紹介します。

以下の点について紹介します。

・「グリーンツーリズム」とは

・「グリーンツーリズム」を推進した事例について

グリーンツーリズムとは?

するめいぬさんによる写真ACからの写真/グリーンツーリズム

グリーンツーリズムとは、

「緑豊かな農村地域において、その自然、文化、人々との交流を楽しむ、滞在型の余暇活動」

と定義されています。

【例えば、、、】  

森林浴原始林でのトレッキングバードウォッチング地域の自然から採れる食材を使った料理体験

など、自然と密接に関わり心身ともにリフレッシュできるニューツーリズムです。

【美しい活気ある村づくりを目指す農村地域

豊かな自然での余暇を楽しみたい都市住民】

それぞれのニーズに応える観光スタイルとして期待がされています。

グリーンツーリズムの推進施策

ぬ文ちゃんさんによる写真ACからの写真/グリーンツーリズム

①美しい村づくりの推進

農村地域の活性化及びグリーンツーリズム需要の強化に向けて、美しい村づくりを行わなくてはいけません。その為には、快適な居住空間や余暇空間を形成し、相互に交流しあえる場を創ることが重要です。

②受入体制の整備

都市住民のニーズに対し、農村地域ではホスピタリティの向上及び農場民宿等の宿泊施設の確保や整備を行わなくてはいけません。その為には、地域一丸となり、観光事業者だけでなく1次産業従事者と連携しグリーンツーリズムを推進する必要があります。

③都市・農村相互情報システムの構築

農村と都市のそれぞれのニーズを把握するための情報交換システムやネットワークを構築することが重要です。地域コーディネートを行う人材や観光事業者による積極的な情報発信やブランド構築が必要になります。

④推進・支援体制の整備

農村と都市相互のニーズ喚起及び理解を促進し、グリーンツーリズムの啓発活動を行うと共に、農村側に対し「生産空間の農村」から「居住空間/余暇空間の農村」と捉え直すための支援も重要になります。

参考:グリーンツーリズムの定義と推進の基本方向

グリーンツーリズムのニーズ拡大

宿泊予約サイト「STAY JAPAN」を運営する株式会社百戦錬磨は、「ウィズコロナ時代における農山漁村地域への旅行に関する消費者意識調査」を行いました。

・農山漁村地域へ「ぜひ旅行したい」「どちらかと言えば旅行したい」→60%

・農山漁村地域への旅行

 「地域の魅力を再発見できる近隣の旅行先」62.4%

 「テレワーク・ワーケーション」→30.2%

調査結果によると、ウィズコロナ時代での農山漁村地域への旅行意欲について、「ぜひ旅行したい」「どちらかといえば旅行したい」が合わせて60%と高く、特に20~30代の若年層に関し70%以上がグリーンツーリズム旅行に対する意欲が高いということが示されました。

農山漁村地域の旅行「グリーンツーリズム」目的として、「地域の魅力を再発見できる近隣の旅行先(マイクロツーリズム)」62.4%「テレワーク・ワーケーション」が目的とする人は30.2%で若年層に多いという結果になりました。

  

これらの示す結果から、ウィズコロナ時代においても、

地域の豊かな自然の中での散策やサイクリング、地域に根差した食文化を楽しむ等、今後グリーンツーリズムのニーズがさらに拡大する可能性もあります。

参考:旬刊旅行新聞

▼関連記事:ワーケーションを活用した観光とは?▼

グリーンツーリズムの事例、自然溢れる農山漁村地域の魅力

石川県、能登の魅力溢れるグリーンツーリズム

Hiroto 8181さんによる写真ACからの写真/能登グリーンツーリズム

石川県の能登町宮地・鮭尾地区12集落が一丸となった村づくり/村おこしを行う「春蘭の里実行委員会」が設立されました。

能登町でも高齢者の多い同地区の衰退を懸念し、様々な業種が一体となり農家民宿サービスを始めました。

現在の農家民宿数は47件を超え、国内外から年間1万人以上が訪れるグリーンツーリズム地域

グリーンツーリズムならではの地元食材や伝統工芸品「輪島塗」を使った地元料理、季節料理が振る舞われると同時に、地域の自然資源を守る里山保全活動にも取り組んでおり、美しい自然溢れ、心穏やかになるグリーンツーリズムを楽しむことが出来ます。

参考:能登の里山里海

和歌山県、外国人にも人気高いグリーンツーリズム

和歌山県南西部、田辺市上秋津地区で平成19年、地元の廃校舎を改修し農家レストランや宿泊施設を併用した都市農村交流施設「秋津野ガルテン」をオープンし、その運営を行う地域組織「農業法人(株)秋津野」を地域一丸となって設立しました。

和歌山県では、自然溢れる世界遺産「熊野古道エリア」を活用した外国人向けの観光コンテンツを発信しています。熊野古道エリアの自然散策プログラムや農作業体験、地元かんきつ食材を使ったお菓子作り体験など、様々なグリーンツーリズムを行っています。

参考:インバウンドグリーンツーリズムの取り組み〔農業法人(株)秋津野(和歌山県田辺市)〕

長崎県、対馬の緑と青の恵みを味わおう

魔女さんによる写真ACからの写真/対馬グリーンツーリズム

古来は、日本の玄関口として海外からの文化や技術を伝える役割を持っていた対馬には、未だ変わらぬ多くの自然や風習、言い伝えがあります。

周りは広大で美しい海に囲われ、島は「山の島」と呼ばれるほどの自然が溢れえています。

そんな長崎県対馬市で、グリーンツーリズムを行う「対馬グリーン・ブルーツーリズム協会」があります。原始林のトレッキングや地元食材を使った料理体験だけでなく、シーカヤックや釣り体験など対馬の陸と海の自然を味わうことが出来ます。

参考:対馬グリーン・ブルーツーリズム協会 総合観光サイト

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まとめ:グリーンツーリズムで、心身落ち着く観光を

今回は、自然溢れる地域で、地元の歴史や文化に触れる「グリーンツーリズム」について紹介致しました。日本は、全国で気候や土地が異なり、多種多様な土地柄を持つ国です。地域一つをとっても未だ見たこのない自然があるでしょう。

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