【完全網羅】参考にしたいニューツーリズム事例|新しい観光の形「ニューツーリズム」とは

「地域に、もっと観光客を誘致したい」

「地域には沢山魅力があるのに、どうやって伝えれば良いのか?」

「よく聞くニューツーリズムって?」

以下の点について紹介します!

・ニューツーリズムとは?その背景

・ニューツーリズムの事例5選

・注目のニューツーリズム!

目次

ニューツーリズム|テーマ/体験型の観光

acworksさんによる写真ACからの写真/ニューツーリズム

「観光立国」の実現、地域経済の活性、雇用の創出を目指し、地域の観光を促進する動きが顕著になっています。このような中で、新しい地域が主導する観光の形「ニューツーリズム」が注目を集めています。

ニューツーリズムとは、

各地域が主導して実施する、テーマ性のある体験型/交流型の旅行・観光スタイルのこと

現代の消費飽和時代にあたる消費行動「モノ消費」から「コト消費」へという考え方がまさに「ニューツーリズム」の基本にあります。高価な装飾品の購買や大量消費にお金を費やしていた高度経済成長期から、現代では自分の経験や何をすることにお金を費やし自分に時間を大切にするようになりました。

従来の旅行会社が提供する旅行・観光は、「発地型観光」と言われ

地域が主導で実施する「ニューツーリズム」は、「着地型観光」と区別されます。

ニューツーリズムの種類とは?

  • 産業観光:日本のモノづくり技術や地域産業を見学・体験できるプログラム
  • 文化観光:地域の歴史や文化を見学・体験できるプログラム
  • グリーンツーリズム:地方の農業体験を通じた交流プログラム
  • エコツーリズム:自然環境を肌身で感じることの出来るプログラム
  • ヘルスツーリズム:健康や癒しをテーマとしたプログラム
  • メディカルツーリズム:日本の先進医療サービスを受けることが出来るプログラム
  • スポーツツーリズム:スポーツの観戦や体験をできるプログラム
  • ロケツーリズム:ドラマ、アニメ等のロケ地を実際に回るプログラム
  • ダークツーリズム:被災地や戦争慰霊碑等の見学をテーマとしたプログラム

etc…

*赤線のツーリズムは観光庁が代表的なニューツーリズムとして定義したもの

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観光ニーズの変化と訪日外国人の増加

では、「ニューツーリズム」が誕生した背景には、具体的にどのような理由があるのでしょうか?

・観光ニーズの変化

・訪日外国人観光客の増加

・観光ニーズの変化

ニューツーリズムという旅行・観光スタイルは、

観光の消費行動が「モノ消費コト消費」に変化したことが起因しています。

高度経済成長を迎えた日本は多くの人が豊かになり、モノに困らなくなると同時に旅行会社が提供する団体旅行やパッケージツアーなどが人気を博しました。

しかし、消費飽和時代「モノ→コト」において、旅行・観光に慣れた層は、土産物を買い風景を見る物見的観光ではなく、より個人の嗜好やニーズ、体験型の「コト消費」をする傾向になりました。

・訪日外国人観光客の増加

また、訪日外国人旅行者の増加や「観光立国」の施策、地域の経済活性化のための観光整備など、

地域が主導となり、観光商品の企画や旅行パッケージなどを提供し、観光客の誘致と経済活性化策を行うようになりました。

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ニューツーリズムの事例紹介5選!

medetaiさんによる写真ACからの写真/ニューツーリズム-田植え

では、どのような旅行・観光が「ニューツーリズム」と呼ばれるのでしょうか??

ニューツーリズム①【産業観光】

~楽器作りを通じた製造技術の伝承と最高のおもてなし~

静岡県浜松市にあるヤマハグランドピアノ工場では、30年以上も前から社会科見学の為の楽器製造の見学事業が行われています。

現在では一般客や外国からの視察団、学生等様々な層に見学事業を行っており、ヤマハで培った技術、歴史、文化等の伝承、学校への教育機会の提供、視察団との産業協力等、地域貢献だけでなく、他国との協力関係を紡いでいます。

参考:産業観光に取り組む工場施設の先進事例調査報告書

ニューツーリズム②【文化観光】

~歴史文化から紐解く、新しいツーリズム~

長崎県の「長崎さるく」という街歩きをテーマにしたニューツーリズムツアーでは、地域歴史や伝統文化等のテーマに据えた街歩きコースツアーが通年で用意されています。

また、専門家による歴史講座や文化体験を行うことのできるツアーもあります。単に歴史建造物や景観を見るだけでなく、その地域のバックグラウンドを知れることも魅力となっています。

参考:「長崎さるく」

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ニューツーリズム③【グリーンツーリズム】

~世界遺産「白神山地」、自然の恵みと四季の里~

青森県の鰺ヶ沢町では、平成5年の白神山地の世界遺産認定に際し、当地域の自然の恵みや四季折々の景観、食事、アクティビティ等のグリーンツーリズムを行っています。

「ミニ白神」「ハロー白神」等キャッチーなネーミング且つ、どんな層にも白神山地の自然を体験してもらおうと、自然溢れる遊歩道の整備や動植物観察施設の運営、トレッキング体験等が行われています。

参考:東北農政局

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ニューツーリズム④【エコツーリズム】

~長野県南信州地域、農業体験プログラム~

(株)南信州観光公社が、長野県飯田市で行う農業体験をメインとしたエコツーリズムプログラムがあります。

ブドウ栽培や環境保全等、農業体験を主として学生の教育旅行やトレッキング、地域振興プログラム等を行っています。持続可能な社会形成に向けて、注目されるニューツーリズムの分野です。

参考:エコツーリズムに関する国内外の取り組みについて

ニューツーリズム⑤【ヘルスツーリズム】

~こころ・からだ よみがえる 健康ながゆ旅~

大分県竹田市の高濃度炭酸泉で有名な長湯温泉での温泉浴、自然の中での森林浴、地元食材を使ったオーガニック料理等を体験できます。

また、長湯温泉療養文化館「御前湯」にある温泉利用相談室にて専門の相談員に健康診断や生活管理のアドバイス、温泉浴や森林浴等について詳しくお話を聞くことが出来ます。

参考:自治体に広がるヘルスツーリズムの現状と参考事例

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注目!持続可能な新しい観光【サスティナブルツーリズム】

サスティナブルツーリズムとは、

環境資源や文化、社会を守りながら自然体験や文化体験を楽しむニューツーリズムのこと。

持続可能な社会形成を目標とするSDGsの考え方が基礎となっています。

例えば、自然の中でのアクティビティ日本の田植え体験地域食材を使った料理体験などを観光商品として実施し、地域の活性化と地域住民と観光客の交流を促進しています。

  

また、地域生活や地域文化を守りながら、観光客の増加及び地域経済の活性化を目指しています。

例えば、観光客増加に伴うオーバーツーリズム地域住民及び社会に与える悪影響を軽減し、観光客に楽しんでもらえるように、収益の一部を環境保全に使ったり、観光客の入場制限を設け、観光税等を導入しています。

CSV(Creating Shared Valueのように、「社会課題の解決」「企業価値の向上」を両立させるような動きも顕著となっており、今後も持続可能な社会形成という視点が重要になってくるでしょう。

自然環境や社会、人々の文化を守ること。

このような地域の資源開発と社会/環境の保全を促進し、観光客の誘致と経済活性化を目指す地域主導の取り組みが「ニューツーリズム」です。ニューツーリズムには、様々な種類のものがあり、「自然・伝統文化・生活文化・美術・スポーツ等」の観光資源に関連した地域の観光施策が存在します。

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