心のバリアフリーとは?|心のバリアフリーの取り組み事例と観光地域づくりへの活用

心のバリアフリーと観光 観光/旅行

「心のバリアフリーって?」

「心のアリアフリーのメリットや取り組みは?」

「心のバリアフリーとバリアフリー観光の関係は?」

今回は、社会生活におけるバリアフリーと大きく関係を持つ「心のバリアフリー」について解説します。単なるバリアフリーではない「心のバリアフリー」とは?

また、「心のバリアフリー」の取り組み事例やその観光地域づくりにおける活用についても紹介します。

以下の点を解説

・「心のバリアフリー」とは

・「心のバリアフリー」の取り組み事例

・「心のアリアフリー」の観光地域づくりへの活用

「心のバリアフリー」とは

・バリアフリー/ユニバーサルデザインの基本的理念

2020(1)年パラリンピック競技大会が記憶に新しい方は多いと思います。

心のバリアフリーとは、

様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うこと

「ユニバーサルデザイン2020行動計画」

と、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」に記載されています。

実際、心のバリアフリーを体現しているパラリンピック競技大会は、多くの人々に「多様性」と「相互理解」の重要性を示唆しています。

まだまだ、障害や自分とは異質な存在に対する偏見や無意識の差別は多いですが、少しずつ精神的な心のバリアフリーに気付くことも重要です。

◆心のバリアフリーを体現する3つのポイント

「ユニバーサルデザイン2020行動計画」には3つのポイントが記載されています。

・障害のある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという「障害の社会モデル」を理解すること

・障害のある人(及びその家族)への差別(不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供)を行わないよう徹底すること

・自分とは異なる条件を持つ多様な他者とコミュニケーションを取る力を養い、すべての人が抱える困難や痛みを想像し共感する力を培うこと

現状、社会生活においてはバリアフリー施設の拡充や特別支援学校などの整備が行われています。

ただ、上辺だけのバリアフリーではなく、心のバリアフリー、つまり精神的にも、障がい者に対する意識を変えようというのが趣旨となっています。

「バリアフリー」と「心のバリアフリー」の違い

では、「バリアフリー」と「心のバリアフリー」の違いは何でしょうか?

結論から言うと、

「バリアフリー」という大きな括りに、精神面で障壁をなくす「心のバリアフリー」が存在する形になっています。

つまり、「バリアフリー」は大きな枠組みで、「心のバリアフリー」はバリアフリーを構成する要素、特に精神的な枠組みのことです。

◆最重要は、「心のバリアフリー」

一方で、心のバリアフリーが特に重要な要素であることは自明の一つです。

「バリアフリー」と言っても、どの分野の障壁をなくすかで大きく具体性や方向性が異なることがあります。

その中で、根幹を成すのが心のバリアフリーです。

実際、身体障がい者に対する障壁は4つあると言われています。

・「物理的な障壁」

・「制度面の障壁」

・「文化や情報面の障壁」

・「意識上の障壁」

心のバリアフリーは、上記の内「意識上の障壁」に通じるものですが、一方で全ての障壁にも当てはまるものです。

精神的な意識が、物理的な障壁の除去、制度面での公正なサポートを促すこともあります。

むしろ、今後は心のバリアフリーを前提に、社会生活におけるあらゆる障壁をなくす活動を促進することが必要になるでしょう。

「心のバリアフリー」の取り組み事例

・教育機関における「心のバリアフリー」の理解に向けた学習

小中学校等において、早くから障害や障がい者の社会活動へのサポートに関し理解を深める目的で、車椅子の体験や高齢者の保護研修、障害の疑似体験などの授業が行われています。

実際、プログラムに参加した生徒も、車椅子利用者に対する新たな気づきや自分ゴトとして考えるキッカケになったという声も数多くあります。

ただ一方で、一過性のイベントやプラグラムとなっているという課題感もあり、授業として障がい者に対し考える時間を設けることも必要かもしれません。

「心のバリアフリー」と観光地域づくり

・観光施設における心のバリフリー認定制度

観光庁は、高齢者や障害のある方が安全で快適な旅行・観光が出来るよう「観光施設における心のバリアフリー認定制度」を創設しています。

特に、「宿泊施設」「飲食店」「観光案内所」が主な対象となっており、バリアフリー整備の拡充が基準として設定されています。

また、心のバリアフリーの推進に向けた研修動画なども公開されており、今後の高齢者や障がい者に対するサポート拡充が期待されます。

◆成長する高齢者・障がい者の観光市場

以前まではバリアフリー整備が整った施設も少なく、高齢者や障がい者などは限られた近場や観光地にしか赴くことが出来ませんでした。

しかし、2006年バリアフリー新法や高齢者の増加、電動車椅子の利用増加などに伴い、地域や旅行会社側も、高齢者や障害を持つ方々向けの旅行パッケージの提案に乗り出しています。

今後は、ロボット型電動車椅子の利用拡大も期待されており、旅行者と地域双方に利益のある医療観光産業が伸びるかもしれません。

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