【観光士が教える】観光案内所の役割とは|地域活性化を担う観光案内所の理想の形を探る

「観光案内所って何をする場所なの?」

「地域の観光案内所を活用して地域活性化を図りたい」

「外国人に対する観光案内所の役割って?」

観光地へ旅行し情報を得る場所としてイメージされる「観光案内所」

今回は、その重要性が増す観光案内所の役割について解説します。

以下の点を解説!

・観光案内所の種類とは?

・観光案内所の役割

観光案内所(ツーリストインフォメーションセンター)とは?

観光案内所の定義としては、

観光地や空港、駅などに設置される無償で観光情報を提供する場所

として捉えることが出来ます。

あまり利用しない方もいるかもしれませんが、観光案内所が提供するサービスとして、

・地域にある観光地、公共交通機関、イベントなどの情報提供

・宿泊施設の予約サービス

・地域の美術館・劇場・博物館などの情報とチケット販売

・地域の観光ツアーの案内∼販売

・外貨両替、土産物の販売  etc.

などがあります。

公的団体が運営しているようですが、公共交通機関や宿泊施設、民間の旅行業者などが観光案内所を運営する場所もあります。

多様性を増す観光案内所の重要性と種類

当たり前のようにある地域の観光案内所ですが、訪日外国人観光客の増加に伴い、その重要性が見直されています。

JNTOによる外国人観光案内所の認定制度  

・「立地、機能・サービス等の基準による3つのカテゴリー」と「パートナー施設」

・3年ごとに認定を更新+通訳やコミュニケーションの研修会とサービス支援

「外国人観光案内所の設置・運営のあり方方針(H.24制定-H.30改訂)」に基づきJNTO(日本政府観光局)では、訪日外国人の安心・快適な旅を支援する外国人観光案内所の認定制度を実施しています。

  • 認定は3年ごとに更新      
  • JNTOによる通訳サービスや外国人対応に対する研修会など支援
  • 外国語ウェブサイトを通じ、認定された外国人観光案内所の情報提供及びPRを推進しています。

観光案内所の役割

外国人の災害時や緊急時の「困った」に対応する役割

観光案内所は、現在では外国人の観光支援を主に、通訳サービスや観光地の情報及び交通情報を発信することを担っています。

一方で、自然災害時や観光客自身の緊急時の際、観光案内所へ相談・支援を求めに来ることがあります。

一部業務から外れた対応を迫られることもあり、観光案内所自体が「地域と観光客との窓口」となる地域全体の体制づくりも必要でしょう。

地域交流の場として地域を活性化する役割

観光案内所は、地域情報が一挙に集まる場所で、観光地の情報提供だけでなく、土産物販売や地域イベントのチケット販売なども担っています。

また、観光案内所によっては地域プロモーション動画の作成やPRを行っているところもあります。

観光地域の現場に位置する観光案内所自体が、観光地域づくりの第一線で活躍する仕組みづくりも必要でしょう。

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個人観光客へのきめ細かな対応をする役割

団体旅客の減少やSNSの普及により、世界的に個人観光客や少人数の観光客が増加しています。

FIT(Free Individual Traveler)ともいう観光客は、自身で宿泊場所の予約~観光施設のチケット購入や交通情報の確保を行っています。

一方で、自身で取得する情報には限りがあるため、観光案内所へ相談しに来ることもあります。

個人ニーズに則した対応は、人材不足やノウハウが足りず実践できていない観光案内所が多い中で、ICTを使った個人観光客への対応は急務となるでしょう。

広域情報拠点として周遊性の向上を促進する役割

観光案内所は、主に観光地の情報発信の場としてしか機能していませんでした。

一方で、広域連携DMOの発足や自治体を挙げての観光地域づくりが促進されるなか、観光案内所は広域情報の発信拠点として、観光客の周遊性を向上させる攻めの情報提供が求められます

観光客の予定するスケジュールに、おすすめの飲食店や場所をアドバイスする。見る場所が無くなった観光客の広域への旅行を支援する接客対応∼チケット販売など、観光案内所は地域の情報発信を積極的に担う存在となることが必要でしょう。

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