宿泊施設の種類|宿泊施設の経営構造とは

「ホテルと旅館など、宿泊施設の違いは?」

「旅館業法や国際観光ホテル整備法とは?」

「宿泊施設の収益構造について知りたい」

今回は、様々な種類がある宿泊施設について紹介します。それぞれ宿泊施設の形態やそれらの違い等はどのようなものでしょうか。また、宿泊施設の経営構造についても解説します。

以下の点を解説!

・旅館業法、国際観光ホテル整備法

・宿泊施設の種類

・宿泊施設の経営構造

旅館業法とは、昭和23年、宿泊施設や旅館業の健全な発展を図る目的で制定された法律です。

日本の宿泊施設経営の根幹にある旅館業法の定義では、

「旅館業」は、「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業

「宿泊」は、「寝具を利用して施設を利用すること」

と定義されています。

旅館業法の区別する宿泊施設には、

「ホテル営業・旅館営業・簡易宿所営業・下宿営業」

の4種類があります。

参考:厚生労働省HP

国際観光ホテル整備法とは

国際観光ホテル整備法は、昭和24年に制定されました。外国人が安心して利用できる宿泊施設やホテルなどに関する情報提供と整備を行うことが目的に置かれています。

宿泊施設内の複数の外国語による案内表示、ネット環境の整備、外国人観光客対応の接遇など、宿泊施設の外国人受入環境の整備が規定されました。

参考:観光庁HP

宿泊施設の種類

主に、宿泊施設は

「ホテル営業・旅館営業・簡易宿所営業・下宿営業」

に分けることが出来ます。*旅館業法を参照

宿泊施設①:旅館営業

・老舗旅館

・高級旅館

・温泉旅館

・割烹旅館(料理旅館)

・ビジネス旅館 etc.

日本的な和式構造を伴う宿泊施設を設け営業すること旅館営業です。日本の古き良き情緒溢れる趣が残る日本旅館は、訪日外国人や日本人観光客にとっても魅力的な観光資源です。

宿泊施設②:ホテル営業

・ラグジュアリーホテル

・デラックスホテル

・シティホテル

・リゾートホテル

・アーバンリゾートホテル

・エアポートホテル

・ターミナルホテル

・コンベンションホテル

・コミュニティホテル

・ビジネスホテル etc.

西洋式の構造や設備を伴う宿泊施設を設け営業することが、ホテル営業です。

日本初の西洋式ホテル「築地ホテル館」が開業されてから、日本ではホテルも多く建てられるようになりました。

*旅館数>ホテル数 / 旅館の客室数<ホテルの客室数

宿泊施設③:簡易宿所営業

・民宿

・カプセルホテル

・ユースホテル

・ゲストハウス

・ペンション

大人数で共有する構造及び設備を有する宿泊施設を設け営業することが、簡易宿所営業です。

宿泊施設④:下宿営業

下宿営業は、1か月以上の期間を単位として宿泊させる営業です。

「下宿」と「下宿営業」の違いは、簡単に言うと

その部屋が誰の所有にあるかです。

「下宿」の場合は、その部屋の持ち主はそこに住む人になり、比較的長期間の居住が伴います。

一方で「下宿営業」においては、部屋の持ち主は営業者で、部屋は比較的短期間のなかで提供されます。

宿泊施設の経営状況

・労働集約型の「人によるサービス業」=ホスピタリティ

・不動産業とサービス業から成る複合産業

・労働集約型の「人によるサービス業」=ホスピタリティ

ホテルや旅館などの宿泊施設は、人が他人のために労働(サービス)を提供する労働集約型産業と言えます。有形の食事や飲料などの提供、無形のサービスや「おもてなし」というホスピタリティの提供など、有形と無形のサービスを含む産業と言えます。

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・不動産業とサービス業から成る複合産業

観光客にとって快適で心地よい宿泊施設や空間の提供という不動産業と誠心誠意の「おもてなし」というサービス業が含まれる複合産業と言えます。

立地条件による地価や季節的な要因により観光客の増減が左右されるなどの不動産業のメリット・デメリットを持っています。また、お客様により宿泊サービスに対する意見の相違や返品・返金が効かないことなど、サービス業という側面も持っています。

まとめ:宿泊施設の種類と経営構造

今回は、宿泊施設の種類、旅館業法や国際観光ホテル整備法、宿泊施設の経営構造について紹介しました。ホテルと旅館の違いなど、少しずつ分かりづらい項目である宿泊施設ですが、しっかり知って観光整備に取り組んでほしいと思います。