【観光士が教える】アンテナショップの経営改革|マーケティング戦略でアンテナショップも観光地に!

「アンテナショップの経営が上手く行かない…」

「地域自慢の特産品が売れない」

「アンテナショップのマーケティング戦略が分からない」

東京都内には、全国から選りすぐられた特産品を販売する「アンテナショップ」がしのぎを削っています。

しかし、数々のアンテナショップが競合しあう市場では、マーケティング手法や経営方針の確立が重要となっています。

今回は、アンテナショップのマーケティング手法・経営について解説します。

以下の点を解説!

・アンテナショップのマーケティング手法

・アンテナショップの経営改革

アンテナショップの現状分析|何が「問題」かを把握しよう

・店頭の問題点/課題点を洗い出すことから!

アンテナショップのマーケティング施策、経営方針を考えるうえで、

  1. アンテナショップの店頭状況や売上、利益率や資金の流れなどを分析
  2. 現状と理想のギャップ(問題点)を洗い出し、優先順位を決定
  3. 優先順位及び店舗の目標に沿った課題設定と戦略・戦術の策定

がまずは重要となります。

例えば、店頭のPOPや商品自体、アンテナショップの場所やレイアウト、ブランドなどが悪いのか。価格戦略や狙うお客様の層が適していないか等、現状を分析する必要があります。

◆「3C分析+消費者の視点」で、自店舗の問題点・課題点を把握

アンテナショップの現状分析を行う上で「考える軸」になるもの。

・3C分析

・消費者の視点

です。

マーケティングや事業戦略の立案の初期段階で実施される、自社のリソースや製品を他社と比較し、また市場や顧客の観点から俯瞰的に捉える「3C分析」は、現状の問題点や課題点を見つけるのに最適です。

また、マーケティングを実践する上で、常に心に留めておくこと

「自社や製品は、常にお客様があってのもの」

ということです。

「消費者の視点」で、どのような製品が売れ、どのようなお客様が、どこで、どのように購入するか等、常に「お客様」の立場に立って考えることが重要です。

アンテナショップのマーケティング戦略において同様で、「お客様(潜在的旅行者)」「他ショップ」「自ショップ」の観点から、俯瞰的・総合的に捉える必要があるでしょう。

3C分析とは

「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」という3つの視点から、市場規模や成長度、製品ニーズの有無や競合他社との比較などを実施し調査することで、今後の事業戦略やマーケティングに生かす分析手法

現状の課題を解決しよう!ポイントは…?

・優先的に解決するべき課題の設定と周辺情報のチェック

そして、次に取り掛かるのは

「現状分析から抽出された課題点の解決」

です。

◆「So what?」を繰り返し、問題・課題の本質を探る!

アンテナショップの経営において、様々な問題点と課題点が浮かんでくると思います。

そのような状況で、全ての課題に手を付けるよりかは

解決するべき課題を選択すること

が重要になります。

Qでは、どのように優先すべき課題を選ぶか?

A「So what?」を繰り返し、その課題を解決した場合の影響力および効果が高いものを選択

諸問題や課題には、解決してもあまり効果のないものや費用対効果が低いものも多くあります。

アンテナショップの経営では、常に解決した場合の効果が高い課題(=目標に向かう課題)に取り組むことが先決です。

そして、PDCAサイクルを回しがら、課題の質と効果の質を高める必要があるでしょう。

▼関連書籍:イシューからはじめよー知的生産の「シンプルな本質」

アンテナショップの経営改革|今後の経営戦略・戦術は?

・店頭役割の再考|店頭=地域の旅行者を結ぶ窓口に

アンテナショップの経営をどう行っていくか?

今後は、アンテナショップの店頭の意義をより重視する必要があります。

単に、地域の特産品やお土産、パンフレット配布などでは、アンテナショップ及び地域の知名度やブランド向上、利益増加にも繋がりません。

◆では、アンテナショップの意義とは?

・地域のファンを増やす

⇒「地域へ訪問した旅行者のロイヤリティ戦略」

 「近隣住民に対する、イベント開催や『おもてなし』、ボランティア活動など」 etc.

・地域と大都市を結ぶプラットフォーム

⇒「最新の地域特産品を提供する場」

 「消費者の意見を、地域の観光事業者へ伝達する場」 etc.

・地域の特産品をマーケティング出来る場

⇒「大都市で好まれる商品の開発やテスト販売の実施」

 「アンテナショップ経営を活かした、地域の物産店の経営改革」 etc.

を挙げることが出来ると思います。

これが全てではないですが、アンテナショップの意義や運営目的、理想の状態などを追求し、地域テーマに沿ったアンテナショップ経営を行うことが重要になるでしょう。

・アンテナショップのECサイト|ECサイトで地域特産品をより多くの人に

アンテナショップ経営をより多くの利益、集客数を稼ぐようなものにするには、

「ECサイトの構築と運用(メディアマーケティング)」

も必要となります。

「店頭=商品を実際に見て、体験する場」です。

ECサイトを運営することで、簡単に商品を購入することが可能な一方、「ネット→店頭」へのお客様の流れを生み出すことが可能です。

また、SNSやチラシ広告などのメディアマーケティングを、アンテナショップでも実践することで集客・売上のアップが期待出来ます。

◆アンテナショップには、どのようなECサイトが適切か?

成功事例は「ABC-MART オンラインストア」

スニーカーを中心にシューズ販売を行っている企業「(株)ABC-MART」が実践するオンラインストアでは、

・靴の履き心地が分からないから、試着したい

・サイズの変更など、オンラインだけでは面倒

というお客様のニーズに対し、ECサイト上で在庫のある店舗を表示し試着∼購入に至る導線を作っています。

また、店頭で試着した商品の配送も行えて、ECと店舗の良い部分を併せ持った戦略となっています。

参考:株式会社ABC-MART

・店舗のリノベーション|店頭を「地域が織り成すストーリー」に

そして、今後はアンテナショップの店頭を

「地域とマッチしたストーリーをテーマに創り上げること」

が重要となります。

近年は着地型観光が主流となっており、地域や都市のアンテナショップがどれだけ自力で集客・利益を高められるかも重要となります。

そのような中で、アンテナショップ自体を地域が織り成すストーリーに仕立て、最終的には地域へ訪問&ファン形成に貢献できるような戦略を立案することが理想となります。

まずは、「3C分析」による現状の把握・分析を行い、「消費者の視点」に立って地域の魅力を活かし、利益をもたらすような事業をするには?を追求していくことが必須事項となるでしょう。