【観光列車のおすすめ】観光列車とは?|地域ビジネスへの活用とマーケティング

「観光列車とは?」

「観光列車のおすすめは?」

「地域事業者から視た観光列車のメリットや施策は?」

近年、「交通×観光」をテーマに交通事業者や地域観光事業者がタイアップした「観光列車」というものが注目されており、認知も拡大しています。

今回は、「観光列車」のおすすめや事例を紹介します。

また、地域事業者から視た「観光列車」の施策メリットやマーケティングについて解説します。

以下の点を紹介

・「観光列車」とは?そのおすすめと事例

・「観光列車」が地域に果たすメリット

・「観光列車」を活用した地域創生及びマーケティング活動

旅行に「移動」は付き物!「移動」を楽しむ観光とは?

・「移動=面倒」の意識を変える「観光列車」

旅行には、「移動」が付き物ですよね。

その中で、単に電車や飛行機、自動車に乗って移動すること自体が好きな人。駅弁を食べたり、窓から景色を見たり、友達と談笑したりすることが好きな人も多いと思います。

一方で、長移動が面倒で、地域によっては交通網が脆弱で不便だから旅行も面倒という人も一定数います。

そのような方々にとって、

「移動=楽しみ」となるものが「観光車両」です。

「観光車両」とは、明確な定義はないものの

地域の特産品を使用した豪華料理や伝統的装飾を施した車両を提供する列車

また、九州地域では「観光列車」は「D&S列車」とも呼ばれています。

「D&S列車=デザイン&ストーリー列車」

JR九州は数種類の「観光列車(D&S列車)」を運行しており、地域の特徴や個性を活かしたサービスで九州の長旅自体を楽しいものにさせる事業を行っています。

◆移動=旅行の楽しみに

Q旅行に行く際、一番好きなタイミングはいつですか?

移動時間⇒平均8.8% *1位は「計画を立てている時:33.7%」

参考:“リサーチプラス”アイブリッジ株式会社

というアンケート調査があります。

まだまだ、「移動=面倒」という考え方は多く、交通網の整備も課題となるでしょう。

しかし、「観光列車」の活用を推進することで、少しでも「移動」を楽しいものにすることが出来ます。

「観光列車」のおすすめ【事例】

【36ぷらす3】|九州を駆け巡るレトロな雰囲気を醸し出すD&S列車

2020年の秋に運行が開始された「36ぷらす3」は現在注目を集める「観光列車」の一つです。

九州に馴染み深く人気だった787系という車両をリノベーションした、昔懐かしいレトロで豪華な雰囲気の車体、和と洋を思い浮かばせるビュッフェなど、様々な装飾が施されています。

◆沿線で繋がる「地域と旅行者」の関係性

「観光列車」内で地域の特産品が存分に満喫できるのはもちろん、沿線では地域の方々が物産展を開催したり、イベントを行うなどおもてなしをいてくれるのも醍醐味の一つです。

参考:JR九州「36ぷらす3」

【えちごトキめきリゾート雪月花】|越後の美食と絶景を堪能できる観光列車

新潟県上越地方を走る観光列車「えちごトキめきリゾート雪月花」も人気を博しています。

日本海側と妙高山側を前にするラウンジ形式の車両、そして越後杉と佐渡金山を思い起こす黄金色を使用した内装は特別な想いにしてくれます。

また、国内最大級の車窓は、越後の絶景を見渡す限り楽しむことが出来ます。

新潟県で作られた工芸品や装飾品は、新潟県民だけでなく国内外の方々に関心があり、「観光列車」の成功事例と言えます。

参考:えちごトキめき鉄道株式会社

【志国土佐時代の夜明けのものがたり】|土佐を走る、日本の歴史を紡ぐ観光列車

幕末を生きた偉人に想いを馳せる観光列車「志国土佐時代の夜明けのものがたり」も、土佐の雄大な自然だけでなく、そこで育まれた食材やグルメを楽しむことが出来る列車です。

高知を走ること観光列車は、

幕末を象徴する「クロフネ」(黒船)

水平線の向こうに見た新たな夜明け「ソラフネ」

をテーマにしており、各車両異なった雰囲気が特徴です。

「クロフネ」では、文明開化の時代に生きた偉人とそれを支えた蒸気船をモチーフに、

そして、「ソラフネ」では宇宙空間まで貫く大きな夢をモチーフにしています。

参考:JR四国 志国時代の夜明けにものがたり

「観光列車」が地域に及ぼすメリット【事業者向け】

・旅行者が、地域の特産品を満喫→地域へ旅行者が訪問し経済の活性に!

◆「観光列車」が地域へ関心を持つキッカケに!

最近では、「観光列車」自体に関心を持って旅行をする人々も増加しています。

撮り鉄に代表されるような人々や昔懐かしい列車に想いを馳せる人々、家族で少しテイストの違う旅行をしたい人々など、「観光列車」を体験することで新たな地域の魅力を発見したい方々もいます。

地域の観光事業者は、「観光列車」を通じて地域に訪れる旅行者や興味を持ってくる人々に対し、さらに地域ならではのリアル体験を提供することが重要となるでしょう。

そして、ひいては地域の経済活性化に繋がることが期待されます。

・地域と旅行者を結ぶ橋渡しで窓口に→旅行者の生の意見をヒアリング!

Q国内旅行先で観光列車に乗ることに関心はありますか?

「観光列車に興味あり:83%

Q実際に観光列車に乗ったことがありますか?

「実際に乗ったことがある:37%

ある調査によると、「観光列車」に興味はあるが、実際にはまだ乗ったことがない人々が多いということが分かります。

今後は、「観光列車」が旅行者の関心事項や意見を生に聞く機会になります。

「観光列車」で体験する地域の特産品がどう評価されるか、そして地域の観光業としてどう発展していくべきか考えるキッカケのビジネスとなるでしょう。

・地域創生のキッカケに!→交通網の脆弱性や廃駅の改築など地域活性化!

「移動=面倒」だと思う理由には、地方地域の交通網の脆弱性が挙げられます。

(列車に限った話ではないですが、、、)

地方地域では、便数が少ない列車を待ったり、タクシーのみでしか移動出来なかったり、何が何だか分からなくなったりすることが多いと思います。

◆交通の脆弱性や魅力の不足に対する「観光列車」の役割

そのような中、「観光列車」は交通の脆弱性の改善と魅力アップ双方に利益をもたらします。

面倒で長い交通(移動)を「魅力ある旅行」に変換することで、集客の増加が見込めます。

また、経済の活性化やインフラ整備により、交通網の改善に繋がることも期待されます。

「観光列車」の施策やマーケティング活動

・地域の特徴や強みを生かした「観光車両」の活用

→旅行者にとって何が魅力か?地域の強みを再考!

まず、「観光列車」の事業を創造する上で、

  1. 地域の強みや魅力をリストアップ
  2. 地域内外の住民・旅行者にとって魅力・共感を得られるものを選択
  3. 地域外(全国)の旅行者にとって魅力・共感を得られるものを調査
  4. ③と④の重なり合う部分をブラッシュアップ

「観光車両」のマーケティングやサービス開発を行う上で、

地域の魅力を再認識し、地域内(近隣)の評価や協力を受けることが重要となります。

一方で、旅行者(消費者)に響く魅力やサービスを市場調査し、PDCAサイクルを回しながら「観光列車」の改善を行っていくことが重要でしょう。

◆社会人の「ちょっとした移動」を「観光列車」に!

現状、「観光列車」は3~5泊の列車旅というものが大半を占めています。

一方で、今後は日帰りの「観光列車ツアー」社会人向けの出張や長移動に対応した「観光列車」のサービス創造も必要となるかもしれません。

今後は、地域内のMaaS事業にも「観光列車」のような、

地域の魅力や特産品を装飾した車体やサービスが出てくるかもしれません。