若者は社会を変えることが出来るか?|若者が起こす「モチベーション革命」

「若者のモチベーションが低いように思える...」

「若者が社会を変える時だよ!」

「斬新な若者のアイデアを求める!」

今回は、尾原和啓(著)の「モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書」を読んで思うことを綴らせて頂きたいと思います。

以下の点を紹介!

・「若者」とは|「若者のモチベーションが、、、」に隠れる真実

・若者のアイデアは本当に斬新か?

・社会や上の世代が考え、実践するべきこと

「若者」とは?

・現代の「若者」は複雑で、簡単に定義づけることは不可能!

コロナ禍のいま、「若者の外出自粛」がニュースや政府の発言にも頻繁に現れることがあります。

しかし、そもそも「若者」とは、どの年代の層を言うのでしょうか?

アメリカのViacomグループのMTV Networks Internationalが実施した「若者の黄金期」に関する調査では、

「若者」とは、「25歳~34歳の世代の人々」

と集計結果が出され、従来の「若者」イメージよりかは、世代が拡大している印象があります。

また、「若者」とは、年齢で区別される世代よりは、もっと「社会的・精神的な成熟度」で比較されると捉えられています。

それもそのはずで、例えば年配の方々全員がスマホやファンションを敬遠するわけでもなく、仲間と共に飲み歩く人々もいます。

年代による区別は簡単ですが、消費志向や価値観が、どの世代をとっても様々ある中で、この人・この層を「若者」と定義づけることは難しいでしょう。

▼参考書籍:「若者」のモチベーションとは、時代に則した示唆を与える一冊▼

「若者のモチベーションが低い!?」は、ただの押し付け

近年、「若者のモチベーションが低くて、、」「今の若者は、、」など、様々な「若者」と「大人」を比較したような言葉が聞かれます。

しかし、このような言葉は、単に「若者に対する大人の価値観の押し付け」の場合もしばしばあります。

様々なモノが溢れ飽和状態にある中、夢や自分のしたいことを中々見いだせない人に対して「モチベーションが低い!」と言うことは、甚だ本質から外れています。

モノがなく、経済も停滞していた戦後∼昭和にかけて、多くに人々がより良い社会を目指し働きました。

しかし、今は令和の時代で、当時のような働き方は時代に合っていません。

また、グローバル化やインターネットが普及し、価値観や生活にも大きな影響を及ぼし、昭和∼平成とは全く異なるスピードで、人も生活も変わっています。

にもかかわらず、「今の若者は、、」と「昔の生活」を比べることは、無意識的であろうとも、単なる「若者に対する、自分たちの価値観の押し付け」です。

若者のアイデアは本当に斬新なのか?

また、「若者はイノベーションのキッカケになる」という言葉をよく聞きます。

これは、本当にそうなのでしょうか?

「若者=イノベーションのキッカケ」は論理が飛躍しています。

本質的には、「組織外の人々や社会の価値観に染まってない人=イノベーションのキッカケ」と言えます。

つまり、「若者」に大きく期待する「大人」にもイノベーションを起こす可能性はあるのです。

しかし、「若者なんだから、良いアイデアをくれよ!期待しているよ」と言葉を投げかけることは、もしかしたら「自分たちへの怠慢と若者への押し付け」かもしれません。

社会や経済が大きく急激に変革する中で、昭和∼平成にかけて大きく成長した企業や組織も、忽然と消え、従来のやり方では太刀打ち出来ない状況にあります。

そのような困難に対して、「若者」に解決策を期待することは、怠慢の何物でもないでしょう。

「若者、若者」と言う上の世代が実践すべきこと

・「若者」を1人の「人財」として捉えること

「今の若者は~だから、ダメなんだ」「若者なんだから、~お願いね」など、一人ひとりを「若者」という一つの単語でカテゴリー化する例は多数あります。

しかし、本当にこれは良いことでしょうか?

人にはそれぞれ様々なバックグラウンドや背景を持っています。それは、「大人」が考え付かないようなものも多くあります。

それらの人々を年齢だけで「若者」と呼ぶこと。「新卒一括採用」のような、すべての「若者」を「若者」にする制度などは、甚だ疑問の残る問題です。

「若者」は一人の個であり、「大人」とほとんど変わらない存在です。

「若者」と「大人」を比較し、どっちがどっちと考えるのではなく、対等な存在、そして一人の「人財」として捉えることも重要かもしれません。

▼関連記事:「多様性」とは?人々の「多様性」を活かす考え方に大事なこと▼

・「他者=先生」という意識で、「若者」に対し謙虚に応じること

「若者」と一括りにしても、個人個人大きな違いを持っています。

そして、上の世代においても「若者」にような行動や価値観を持つ人々も増えています。

趣味も違えば、ファッションや人生経験なども異なります。

「若者」とは、「自分の知らない世界の先生」と捉え、「若者」に対して常に謙虚な姿勢で接することは重要です。

・変化に対する柔軟な姿勢と「若者」を支える姿勢

上の世代「大人」も、この急激なスピードで変化する社会に対して、柔軟に対応する必要に迫られています。

そして、「若者=イノベーションのキッカケ」と考えるのであるならば、「大人」のすべきことは、「若者を支え、応援すること」かもしれません。

「若者」とカテゴライズしても、対等な立場である「人財」です。

当然、社会知識・ビジネスマナーなどはなくとも、一人の人間で、様々な価値観や考えを持っています。

「大人」は、今後このような様々な特色を取り入れることが重要で、それには

「若者を支え、応援すること」

が必要になってくるでしょう。

▼参考書籍:「若者」のモチベーションの本質を探る一冊▼